「うちの会社はセキュリティ事故なんて起きないだろう」
そう思っていませんか?
情報化が進む現代では、セキュリティ対策を行なっていないとあまりにも危険です。
今回は、なぜセキュリティ対策が重要なのか、そしてどのような対策があるのかをご紹介します。
そもそもセキュリティとは?
「セキュリティ」とは、英語で「security」、意味は「安全」「保障」「防衛」「防犯」などです。一般的に、なにかしらの攻撃から防衛するときに用いられる用語です。
IT分野では「情報セキュリティ」というように、情報を守るという意味で用いられます。
例えば、パソコンに保存されている顧客情報、従業員の個人情報、人事情報、取引先とのやり取りなど、会社にとって重要なデータがあると思います。それらを、サイバー攻撃や事故などが起きたときに、漏洩または破損されないように対策を行うことが「情報セキュリティ対策」なのです。
セキュリティがなぜ必要なのか?
情報セキュリティは、企業の社会的責任の一つと言えるでしょう。なぜなら、情報漏洩やデータ改ざんは、自社にダメージがあるだけでなく、顧客や取引先など会社に関わるすべての人に甚大な損害があるからです。
セキュリティ対策をしないと、どんなリスクがあるのでしょうか?
以下に、6つのリスクを挙げてみます。
①情報漏洩
一つ目のリスクは、情報漏洩です。セキュリティ対策が万全でないと、顧客の個人情報や機密事項の流出が漏洩する恐れがあります。
テレビや新聞でも「○○会社から情報漏洩!?」というニュースを見たことがあると思います。情報漏洩はそれだけ起きてはならないセキュリティ事故であり、会社の信用が著しく落ちてしまいます。
②業務停止
二つ目のリスクは、業務停止です。例えば、サイバー攻撃を受けてしまい、社内の重要なシステムがダウンしてしまったら、業務を停止せざるを得ません。業種によってはその間、まったく業務を進めることができず、社内の混乱を招いたり、売上ダウンに繋がったり、顧客からの信用を失うことにもなります。
さらに、すぐに復旧できるならいいのですが、場合によっては数週間もかかってしまうこともあります。言わずもがな、これは致命的なダメージといえるでしょう。
③サイトの改ざん
三つ目のリスクは、サイトの改ざんです。例えば、サイトの管理者権限を乗っ取られてしまいサイト情報を改ざんされてしまう可能性があります。
似たようなものに、SNSアカウントの乗っ取りもあります。SNSでウイルス付きのダイレクトメッセージを送ったり、不快な画像を投稿したりなど、アカウントを不正に悪用するのです。
④顧客の信用を失う
四つ目のリスクは、信用の失墜です。セキュリティ事故が起きれば「あの会社はきちんとセキュリティ対策を行っていない」「ずさんな会社なんだ」など、ネガティブな印象がつくようになり、会社のイメージダウンに繋がります。
社会的にも信用を失ってしまえば、売上も落ちてしまうので、最悪倒産にまで追い込まれる可能性もあるでしょう。
⑤公的処罰
五つ目のリスクは、公的処罰です。セキュリティ事故を起こしてしまった場合、事業に関する免許の取り消しや停止、行政指導による業務停止などの処分を受けることもあります。
⑥従業員のモチベーション低下
六つ目のリスクは、従業員への影響です。情報セキュリティの甘さが社内で露呈すれば、従業員は「リスク管理が甘い会社で働いているなんて不安だ」と不満を覚えるでしょう。セキュリティ事故が起これば、転職や退職による人材の流出やモチベーションの低下につながる恐れもあります。そうなれば、会社経営はより厳しくなることでしょう。
セキュリティにおける重要な3つの要素
セキュリティ対策をする上で、以下の3つの要素を意識することが大切です。
①機密性
機密性とは、データにアクセスできる人を制限することです。例えば、「権限を持つ人やアクセス許可を与えられた人を会社の一部の担当者に限る」などが挙げられます。このような制限をかけずに、誰もが自由にデータを閲覧できたり書き換えたりできるようにしてしまうと、情報漏洩に繋がります。
②完全性
完全性とは、データの完全性を保障することです。つまり「データが正確であり最新の状態」であるということです。もしそのデータが、古い電話番号や間違っている情報を持っていては、そのデータは使い物にならなりません。
③可用性
可用性とは、利用者が必要なときにデータにアクセスできるようにすることです。データを使いたいときに使えるような状態にしていることを可用性が高い、といえます。
つまり、以上の3つをもっと簡単に言ってしまえば、
「見ても良い人が見られる状態」
「見てはいけない人が見られない状態」
「正確でちゃんとした状態」
のセキュリティ対策が重要になるということです。
今からできるセキュリティ対策とは?
続いて今からできるセキュリティ対策についてご紹介します。
大まかに「ウイルス対策」「不正アクセス対策」「情報漏洩対策」の3つに分けて説明します。
■ウイルス対策
- ソフトウェアの導入・更新:ソフトウェアを常に最新の状態にしておくことで、ウイルスの検知・警告をして守ってもらうことが可能
■不正アクセス対策
- パスワード管理
- ファイアウォールの導入(外部からの不正アクセスや攻撃を防ぐシステム)
- 侵入防止システムの導入(対象のネットワークやサーバーを監視し、不正アクセスを感知・ブロックするシステム)
- ログの取得・管理:ログを取得しておくことで、トラブルが起こった際の原因究明に役立てる
■情報漏洩対策
- ファイアウォールの導入:外部からの攻撃や不正アクセスを防ぐことで、情報流出の防止に繋がる
- 顧客データなどの管理:データをきちんと管理しておくためには、情報の暗号化や、情報漏洩防止ツールの導入などが有効
上記以外にも、従業員ひとりひとりに教育をすることも大切です。定期的に情報セキュリティに関する研修を開催する、SNSやスマホなどの取り扱いの注意喚起を行うといったことが有効です。また情報セキュリティについて、マニュアルやルールを設けて、きちんと社内で共有することも重要になるでしょう。
この記事のまとめ
- セキュリティ対策は企業の社会的責任の一つである
- セキュリティ対策には、ウイルス対策、不正アクセス対策、情報漏洩対策がある
「うちの会社はきっと大丈夫だろう」と安易に考えて、なにもセキュリティ対策をしていない会社ほど危険です。世の中はものすごいスピードで情報化社会となり、あらゆるところにリスクが潜んでいます。
ぜひ、この記事を参考にセキュリティ対策に取り組んでみてください。